電力自由化の促進で、FIT終了後の太陽光売電価格も明るい!?
2017年1月16日、「電力・ガス自由化応援隊長」に、タレント・安めぐみさんの就任公表があったのをご存知でしょうか?
今年4月に控えた「ガス自由化」の周知と併せての起用ですが、つまり、まだまだ「電力自由化」も周知徹底にはほど遠い状態ということ。そして今後、電力自由化の普及は太陽光発電事業の未来と密接に関係してきます。電力自由化の牽引役である新電力会社(小売電気事業者)が成長していけば、FIT制度終了後の売電条件に良い意味で大きな影響を与えると考えています。
電力自由化は、2016年4月からスタート
昨年から、一般家庭でも自分の好きな電力会社から電気を購入できるように。それまでは、東京電力や関西電力、中部電力、東北電力などの大手電力会社10社からの購入に限られていました。自由化することによって、料金低下をはじめとした消費者へのサービス向上を目指しています。
※中部電力や関西電力なども新電力会社ですが、ここでは大手電力会社を除く小売電気事業者を新電力会社(新会社)として表現しています。
新電力会社で、一般家庭へ販売を開始しているのは100社程度
自由化解禁に伴って、新規参入事業者(新電力会社)が多数登場。経済産業省によれば、新電力会社は、平成29 年1月17日現在で374の事業者があるそう。しかし、その中で一般家庭への販売を開始しているのは100社程度です。下記資料からも読み取れるように、今後は新電力会社が急激に増える見込みはなく、むしろ既に生き残りをかけた戦いが始まっていると考えていいかもしません。
※参考:資源エネルギー庁 登録一覧
※出典:資源エネルギー庁 電力小売全面自由化に関する進捗状況より
新電力会社は、ガス・石油・通信系が有力株
制度開始から一年も経っていませんので、現時点で突出した企業はまだないように思います。今後ますます力を入れてくるだろう有力な候補は、東京ガスや大阪ガスといった大手ガスグループ、昭和シェル石油やJXエネルギー、出光などの大手石油グループ、そしてKDDIやソフトバンク、ジェイコムなどの大手通信グループでしょう。
その中でも注目は、携帯電話の新規参入も成し遂げたソフトバンクグループ。参入ノウハウも十分に持っているでしょうし、グループの代表である孫正義氏が“アジアスーパーグリット構想”をはじめエネルギー分野に力を入れています。
「固定価格 + 1円」で、新電力が買い取ってくれた時もあった
現在はほとんどの会社が受付を中断していますが、2015年にはFIT制度で定められた「固定価格 + 1円」 で、いくつかの新電力が電気を買い取ってくれていました。たくさんの電気を安定的に調達できれば、当然、広く供給ができるからです。しかし、新電力がこのサービスを立ち上げて間もなく、国からの補助制度が変更。+1円で買い取ってしまうと、事業運営が困難になってしまったのです。
このサービスはストップしましたが、新電力は次々と新たな施策を導入してくるでしょう。そして少しずつ着実に、消費者を取り込んでいくと思います。
新電力による“クリーン電力”の推進に期待大
先日、SBパワーが発表した「自然でんき」は、その名の通り“クリーン電力”を全面にアピールしています。実際、サービス内容を見てみると、「FIT電気(再生可能エネルギー)」を50%以上維持することを目標とした電力サービスを提供、とある。さらに、2017年2月1日~2018年3月31日の全国平均での計画値ではありますが、電源構成に占めるFIT電気は70%となっています。
※参考:SBパワー株式会社 プレスリリース 2017.1.23
仮に15年後、このようなクリーン電力を主軸とした電気が日本全国を独占していたら、FIT制度が終了時に売電先に困るといった事態は考えにくい状況でしょう。
現在のようなプレミアム価格での売電は難しいと思いますが、“クリーン電力”の価値は想像以上に高まっているのではないでしょうか。
まとめ
※出典:資源エネルギー庁 電力小売全面自由化に関する進捗状況より
2016年9月末時点で、新電力への切り替え(スイッチング)と申込数の合算数は、約364万件。全体の5.8%にすぎません。さらに上記資料によると、「メリットがわかりづらい」といった理由から、新電力の検討に興味・関心が薄れているようです。
つまり、安めぐみさんに頑張っていただきたい!
そして新電力には、“クリーン電気”の活用推進にさらなるドライブをかけていただき、日本のエネルギー事情に改革を起こしてもらいたいと期待するばかりなのです。
運営会社 : 株式会社 イデアスタイル