2016年12月27日

変換効率や過積載など、太陽光パネルの知っておくべき7つの基礎知識

太陽電池の理論を紐解くとアインシュタインの光電効果に行きつく

アインシュタインの光電効果を知っているだろうか?

太陽光パネルの発電理論を深く紐解いていくと、アインシュタインの光電効果にまで行き着いてしまう。研究ならともかく太陽光投資という観点だけなら、難しい理論は必須知識ではないでしょう。今回は太陽光投資初心者のための入門編として、なるべく分かりやすく太陽光パネルについて次の7つを軸に説明していきます。

  1. 太陽光パネルの役割とは?
  2. 太陽光パネルの発電条件
  3. 太陽光パネルの能力を表す「公称最大出力」とは?
  4. 太陽光パネルの性能を表す「モジュール変換効率」とは?
  5. 太陽光パネルの「単結晶」と「多結晶」の違い・特徴
  6. 太陽光パネルメーカーの生産規模
  7. 太陽光パネルの「過積載」とは?

1. 太陽光パネル(太陽電池モジュール・ソーラーパネル)の役割とは?

太陽光パネルの仕組みは、たくさんの太陽電池をつなげたもの。地球上に降り注ぐ太陽の光エネルギーを、電気エネルギーに変換するのが太陽光パネルの役割です。平たく言ってしまうと、「太陽光パネルにたくさん電気を作ってもらう = 売電収入が増える」という方程式が成り立ちます。

時として、「太陽電池モジュール」や「ソーラーパネル」といった表現を用いられますが、どれも太陽光パネルと同義語と考えて不都合はありません。

※一枚の太陽光パネルは、モジュールという単位で呼ばれます。
※太陽光パネル内の格子状に区切られた小さな四角形はセルと呼ばれます。

2. 太陽光パネルの発電条件

太陽光パネル

説明不要かもしれませんが、発電に最も好条件な天気は晴天。太陽光パネルに影が落ちていない状況下です。曇天でも太陽光はありますが、晴天時の半分以下、雲の状況次第では晴天時の5%〜10%まで落ちることも。雨天は潔く諦めましょう。

春季の晴天、お昼時が一番太陽光パネルが発電する好条件

一日24時間の時間帯別では、朝6時〜夕方18時が発電タイム。お昼時の11時〜13時が発電のピークと言われています。

一年間の月別では、4月・5月の春季が最も好条件。続いて8月の夏季、発電量が乏しいのは11月〜1月の冬季です。夏季よりも春季の方が発電量が多いのは意外に思われるかもしれませんが、高温すぎると太陽光パネルの発電効率が落ちるという特性があるためです。

※上記は一般論とお考えください。システムを設置する地域や状況、設備などにより異なります。

3. 太陽光パネルの能力を表す「公称最大出力」とは?

一枚の太陽光パネルが、どれくらい電気を作り出せるかを知るには、パネルメーカーが公表している公称最大出力を確認。当然、大きい方が能力は高い。例えば、公称最大出力が250Wと260Wの太陽光パネルを同条件で発電させれば、260Wの太陽光パネルの方が発電量は多くなります。簡単ですね。

太陽光発電システムの能力

太陽光パネルの出力合計が、太陽光発電システムの能力

太陽光発電システム全体の能力は、「 太陽光パネル一枚の公称最大出力 × パネル枚数 」で計算することができます。仮に上記のように物件情報が紹介されていたなら、公称最大出力260Wの太陽光パネルが 324枚搭載されている太陽光発電システムですから、システム全体の能力は「260W × 324枚 = 84.24kW」となります。

4. 太陽光パネルの性能を表す「モジュール変換効率」とは?

公称最大出力と並んで押さえておきたいのが、モジュール変換効率。一枚の太陽光パネルが、どれくらい効率良く電気エネルギーに変換できるかを表す指標です。

残念ながら、光エネルギーを100%電気エネルギーに変換することはできません。現代の技術力では、2016年5月にSHARP(シャープ)が記録した31.17%が世界最高レベル。しかしこの最新鋭の太陽光パネルは人工衛星に使用するために研究開発されているもので、とても購入できる代物ではありません。

太陽電池は技術革新が期待できる分野ですから、今後さらに発電効率の良い太陽光パネルが登場することは十分に期待できますが、現在(2016年12月)太陽光発電システムとして使用できる太陽光パネルの変換効率は、13%〜20%が主流です。

5. 太陽光パネルの「単結晶」と「多結晶」の違い・特徴

太陽光パネルは太陽電池をつなげたものと先ほど説明しましたが、太陽電池の構造には各メーカー多くの種類があります。大きく分けると、シリコン系と化合物系の2つですが、太陽電池は技術革新が期待される分野ですから、今後も様々な太陽光パネルが登場してくると言われています。

今回は入門編ですから、太陽光発電システムで広く使用されているシリコン系にフォーカス。「単結晶」と「多結晶」の違い・特徴を解説していきます。

ケイ石・珪石

太陽電池の要である半導体に使用されているのがシリコン。ケイ素(元素記号:Si)とも呼ばれ、地殻中に埋蔵されているケイ石という暗灰色の鉱物です。このケイ石を加工したものが単結晶シリコンや多結晶シリコンになります。

単結晶はケイ石の純度が高く、セル全体がひとつの結晶

単結晶は、一枚板のイメージです。それゆえ、壊れにくいと言われています。高い発電効率を実現できることが特徴ですが、製造コストも高くなります。

一般的に、黒色のパネルが単結晶シリコンパネルです。

多結晶は、単結晶の製造過程で発生した不要な結晶を集めたもの

多結晶は、木片チップを合成して一枚の板にしたイメージ。多結晶パネルの表面をよく見みると、色がまばらになっている部分がありますが、これは複数の結晶を寄せ集めて製造しているからです。
多結晶は、単結晶と比べれば耐久性や発電効率は劣りますが、低コストで製造できるという大きなメリットがあります。

一般的に、青色のパネルが多結晶シリコンパネルです。

産業用太陽光パネルは、高いコストパフォーマンスを誇る多結晶シリコンが主流

パネル種類 発電効率 耐久性 設置面積 コスト 主な用途
単結晶 狭小対応 高価 住宅用
太陽光発電システム
多結晶 広大対応 安価 産業用
太陽光発電システム

単結晶と多結晶の違い・特徴をまとめると上記のようになります。

単結晶は一枚のパネル能力が高いので、一般家庭の屋根の上など太陽光パネルの数があまり設置できない場所で使用されています。広大な土地に設置する産業用で主に使用されているは、多結晶です。多くの投資家がコストパフォーマンスを最優先。また近年の技術進歩により多結晶の性能が向上していることも付け加えておきます。

6. 太陽光パネルメーカーの生産規模

京セラ、パナソニック、ソーラーフロンティア、東芝、シャープ、三菱電機などが、主な国内メーカーになると思います。国産という安心感のもと、住宅用としては選ばれていますが、世界的に見ると日本メーカーのシェアは少ないのが現実です。

主要モジュールメーカーの生産量および出荷量(2015年)

産業用では、中国を中心とした海外メーカーの太陽光パネルが主流

生産量も出荷量も、日本メーカーは世界でみると桁違いに劣っています。そして海外勢の圧倒的な生産量は、太陽光パネルの製造コストを抑えることになりますから、日本メーカーの製品と比べると格段に安価なのです。

気になるところは品質でしょう。しかし、国内製品との圧倒的な差はないと言われています。もしも海外製品が低品質だったなら、あるいは日本製が格段に高性能であれば、上記のような生産量ランキングにはならないのではないでしょうか。さすがに製品保証のない海外メーカーは怪しいですが、投資目的の産業用太陽光発電システムであれば、低コストの海外優良メーカーの太陽光パネルがおすすめです。

7. 太陽光パネルメーカーの「過積載」とは?

低圧(50kW)太陽光発電に投資を考える人にとって、太陽光パネルの過積載は必須知識。とはいえ、決して難しい話ではありません。

固定価格買取制度のルールでは、低圧太陽光発電システムの場合、太陽光パネルかパワーコンディショナー、どちらかの出力を50kW未満に設定する規則がありますが、パワーコンディショナーを50kW未満に抑え、70kWや80kWなど、太陽光パネルを50kW以上に過積載する方が圧倒的に投資メリットが大きいのです。早期に原価回収を目指す投資観点を重視するなら、もはや過積載は必須と言っても過言ではありません。

※過積載について詳細情報を知りたい方はこちら「イデアスタイルの強み・特徴」もご確認ください。

投資観点から、産業用太陽光パネルのまとめ

産業用太陽光発電システムなら、太陽光パネルは多結晶シリコン、低価格の海外メーカーの製品がおすすめ。太陽光パネルの過積載をすることで、より多くの売電収入を実現しよう!

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